2792.今日の植物(2275):ベルリニア
ベルリニアは、マメ科 Berlinia属(ベルリニア属)の植物で、切手に描かれているBerlinia bracteosa種について情報がありました。それによりますと、この種は中央アフリカの西部のカメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ、赤道アフリカなどの国を原産地としているということです。
樹高は8メートルから35メートルにまでなるものもあるようです。川の岸などの湿潤な環境を好む植物だということです。マメ科の植物は土壌中のバクテリアと共生関係にあるものも多いのですが、この種はそのような性質を持たず、従って空気中の窒素を固定するという機能はないようです。
この種は、薬用植物として利用され、また材は適度な強度と耐久性を持っており、家具の材料として有用だということです。また、街路樹として日除け機能を持っているという情報もありました。
写真です。白い花が印象的です。私たちはマメ科というと、そんなに大きくない植物を想像しますが、これなんか立派な樹木ですね。それでも果実を見るとやはりマメ科の植物です。
ベルリニア・ブラクテオサ Berlinia bracteosa
切手です。
ベルリニア・ブラクテオサ Berlinia bracteosa
1979年 ガボン発行(アフリカ切手展)
●この切手と一緒に発行されたセットはこちらです。⇒切手植物図鑑
2791.今日の植物(2274):ビロティア
ビロティアは、ヤマモガシ科 Virotia 属(ビロティア属)の植物で、6種を擁する小さな属の植物です。
ウイキペディアの情報によりますと、この属の植物はすべてニューカレドニアに固有の種でかつてはMacadamia属に分類されていたということです。
属名のVirotiaは、フランスの植物学者でニューカレドニアの植物について研究したRobert Virot氏に因んで命名されました。
ほかのサイト(前回、アルティアについて情報を得たサイトです)の情報では、切手に描かれているVirotia angustifolia種は、樹高4メートルまでの低木で、ニューカレドニアの主要な島嶼であるGrande Terre北西部の極く限られた地域の標高100~500メートルの部分に分布しているのだそうです。
しかし、この種はその生育環境が失われていることから、絶滅が危惧されています。それは、この地域でニッケルとコバルトの採掘が進められていることによるようです。また、低標高地での山火事も生育を困難にしているという情報もありました。
写真です。ネットからの借用です。
ビロティア・アングスティフォリア Virotia angustifolia
切手です。
ビロティア・アングスティフォリア Virotia angustifolia
2015年 仏領ニューカレドニア発行(固有の植物)
2790.今日の植物(2273):アルティア
アルティアは、キョウチクトウ科 Artia属(アルティア属)の植物で、9種程度が含まれる小さな植物群です。
ウイキペディアの情報によりますと、この属の植物もニューカレドニア固有の植物です。
そのウイキペディアの情報は、Parsonsia やPrestoniaといった属と近縁の関係にある、といった程度の情報です。
ネットで他の情報を探したところ、ニューカレドニアの固有種を集めたサイトがありました。それによりますと、この種は標高750メートル程度までの灌木林に分布しているということです。絶滅が危惧される程度ではないですが、生育地によっては生育環境の悪化により生育が脅かされているものもあるということです。
花を見ますと、白い縁取りのある花弁が印象的な植物です。
その写真です。ネットから借用しています。ほかの木にまとわりつく植物のように見えます。
アルティア・バランセ Artia balansae
切手です。
アルティア・バランセ Artia balansae
2015年 仏領ニューカレドニア発行(固有の植物)
2789.今日の植物(2272):ボロネラ
ボロネラは、ミカン科 Boronella 属(ボロネラ属)の植物で、The World Flora On Lineよれば、この属に分類される種は6種があるということです。
ただ、ウイキペディアの情報によりますと、この6種はニューカレドニアに固有の種で、いずれも現在では同じミカン科のBoronia(ボロニア)属に分類されるということです。このように両者の見解が違っているのですが、今回はこれまで頼りにしてきたThe Plant Listの後継でもあるThe World Flora On Lineに従って、Boronella 属として取り上げます。
なのですが、Boronella 属に関する情報はあまりなくて、これは困った状態です。また、情報がみつかればご報告することとして、写真です。
ボロネラ・パンケリ Boronella pancheri
切手です。
ボロネラ・パンケリ Boronella pancheri
2015年 仏領ニューカレドニア発行(固有の植物)
2788.今日の植物(2271):ティオリエレア
ティオリエレアは、アカネ科 Thiollierea属(ティオリエレア属)の植物で、この属に分類される種は15ないしは16種のようです。
ウイキペディアの情報によりますと、すべてがニューカレドニア固有の植物で、この属に分類される種はかつては同じアカネ科のBikkia属あるいはMorierina属に分類されていたということです。
ネットで調べてみたのですが、Thiollierea属に関する情報がなかなか見つかりませんでした。
その中に、面白いサイトがありました。rarepalmseed.comというサイトで、植物の種を販売するサイトのようです。このサイトで、Thiollierea campanulata種が取り上げられていました。
そのサイトでの説明では「素晴らしい、枝張りのよい低木、明るい赤色の鐘の形をした花、温帯や低温の熱帯気候に適した園芸植物」とされています。
そして面白いのは、「外観(鑑賞植物としての価値?)」という評価項目があります。その評価点は、Average(果実や背景用などそれ自体の鑑賞価値以外の要因で育てられる)、Pretty(良い観賞価値がある)、Beautiful(高度の観賞価値がある)、 Breathtaking(息をのむような、観賞用庭園で気づかずにはおれない) といった具合で、このThiollierea campanulata種はBreathtakingに位置付けられていました。自画自賛、とでもいえましょうか。
写真です。
(左)ティオリエレア・カンパヌラタ Thiollierea campanulata
(右)ティオリエレア・マクロフィラ Thiollierea macrophylla
切手です。
(左)ティオリエレア・カンパヌラタ Thiollierea campanulata
(右)ティオリエレア・マクロフィラ Bikkia fritillarioides(=Thiollierea macrophylla)
2015年発行 1964年発行
いずれもニューカレドニア発行です。
●50年以上も前に発行された1964年の切手には、かつての種名Bikkia fritillarioidesが記されています。
このブログで、右の切手をBikkia fritillarioidesとしてBikkia(ビッキア)の記事に載せていましたが、今回こちらに移しました。
1964年に発行されたセットはこちらです⇒切手植物図鑑